角を測るとき、器械のわずかなクセをどう消すか。望遠鏡を正位と反位でひっくり返して測る対回観測は、その代表的な工夫です。何が消えるのかを理解しましょう。
先生、角を測るときって、ただ1回読めばいいんじゃないの? なんで何回も測るの?
いい疑問ね、まる。
器械にはどうしても誤差があるの。
それを消すために工夫して観測するのよ。
代表が対回観測ね。
対回観測は、望遠鏡を正位(正)と反位(反)の両方にして観測する方法、ということですね?
合っているわ、結さん。
正と反で測って平均すると、望遠鏡の視準線のわずかな傾き、つまり視準軸誤差などが打ち消せるの。
うぅ〜ん…正位と反位って、望遠鏡をひっくり返すってことなのぉ?
そう。
器械を反転させて、同じ目標をもう一度見るの。
器械の据え付けやレンズのクセによる偏りが、正と反で逆向きに出るから、平均で消えるのよ。
おぉ、バドで言うとフォアとバック両方で打って、クセをならすみたいな感じか!
補足すると、この正・反の1組を『1対回』と呼ぶのですね。
精度を上げたいときは対回数を増やす、と。
そのとおり。
ちなみに一定の原因で生じる系統誤差は、こうした観測方法の工夫で消せるのが大きな特徴なの。
偶然的なばらつきは平均で小さくする、という役割分担ね。
測り方そのもので誤差を消せるんだ…えへへ、賢いのぉ。
確認クイズ
対回観測に関する説明として、正しいものはどれか。
- 望遠鏡を正位のみで複数回観測する方法である
- 望遠鏡を正位と反位にして観測し、視準軸誤差などを消去する方法である
- 距離を往復で測定する方法である
- 偶然誤差を完全にゼロにできる方法である
こたえを見る
正解: 2. 望遠鏡を正位と反位にして観測し、視準軸誤差などを消去する方法である
対回観測は望遠鏡を正位と反位の両方にして観測し、平均することで視準軸誤差などの系統誤差を消去する角観測法です。正位のみでは系統誤差が残り(選択肢1は誤り)、距離の往復観測とは別物です(選択肢3)。偶然誤差は多数回観測の平均で小さくできますが完全にはゼロにできません(選択肢4は誤り)。